新宿駅南口にバスタ新宿(新宿南口交通ターミナル)がオープンして
もうすぐ半年を迎えます。国土交通省の提唱により整備された同ターミ
ナルですが、バスターミナルとして順調に機能を拡充してきている
ようです。開業前、新宿駅周辺には実に20か所に及ぶ高速バスのりば
があちこちに分散してありました。わかりにくい場所にあるのりばも多く、
利用者からはあまり評判が良くなかったのも事実です。それを1か所に
集約したというだけでも、ずいぶんとわかりやすい効果があるはずです。
あらためて発着バス会社数118社、1日あたりの発着本数が1625本
という数字であらわされると、やはりここは日本の首都東京の一大
ターミナルになっているという事実に気づかされます。そしてここを
発着するバスの行き先は実に39都府県にわたり、本州と四国全県がバスで
新宿と結ばれる結果になりました。元々道路では結ばれていない北海道と
沖縄県を別にすれば「ここからバスで行けないところはない!」と豪語
してもそれほど的外れではない実態になっているのです。
そんなバスタ新宿なのですが首都圏以外の居住者にとって重要なポイントは
バスタ新宿が成田・羽田の両空港と直結しているという事実です。このことによって
以下のような2つの行程が可能になったのです。すなわち
居住地→(バス)→バスタ新宿→(バス)→羽田・成田→(飛行機)→目的地
というコースと、逆に居住地→(飛行機)→羽田・成田→(バス)→バスタ
新宿→(バス)→目的地というながれです。
当コラムではエルビートリップと名づけた新しい旅のパターンを提案して来ました。
「LCCと高速バス」を連結させたリーズナブルな旅の形ですが、バスタ新宿の存在は
この旅を実現するための強力な素材になりつつあるのです。
しかしまだ「何とかならないのか」と思わざるを得ない点もあります。
それは羽田・成田とバスタ新宿間のバス代です。とりわけLCCが集結している
成田空港が焦点となりますが、成田からバスタ新宿まではなんと3,100円!
在来のリムジンバスと考えれば当たり前の運賃のような気がしますが、
LCC時代の今にあっては何とも高過ぎる気がしますよね。というのも成田空港から
東京駅まで1,000円で運行(予約の場合900円)しているバスのLCC、東京シャトル
の存在があるので、どうしても比べてしまうのです。せっかくLCCで成田まで(から)
数千円の航空券を確保しても、ここのバス代に3,000円も取られてしまうと出鼻を
くじかれる思いになってしまいます。ちなみに鉄道で有料特急を使わない場合、
成田空港-新宿間は京成電鉄経由が1,440円、JR経由だと1,490円ですが双方
かなり乗り換えがあります。であれば東京シャトル+JR中央線で1,200円が
ベストチョイスではないでしょうか。尚羽田空港-バスタ新宿間は1,230円となっています。