「せとうちSEA PLANES」は8月10日から水陸両用機による
遊覧飛行の営業を開始しました。同社は常石造船という造船会社
の傘下にある会社ですが、今年1月に国土交通省から航空運送業
の認可を取得しており、10名乗りの水陸両用機である
コディアック100という機種にフロートを装着して海上からの
離発着が出来る仕様として運行を始めたものです。

このフライトは「せとうちディスカバリーフライト」と名づけ
られて50分間の洋上遊覧飛行がプログラムされています。
尾道市内の海岸にあるベラビスタマリーナのフローテンング
ポートを離水(出発)すると、尾道水道、因島、生口島、多々羅
大橋、能島、岩城島などの上空を周遊して尾道に戻ります。日本
国内における水上離発着航空の営業は実に50年ぶりとのことで
期待が高まっています。もちろん問い合わせはサンビクトリーまで。

空から瀬戸内の眺めを堪能した後はやはり島伝いに尾道から今治
までを辿りましょう。

まず最初の訪問地は尾道になります。尾道は狭い尾道水道を挟んで
向島と向きあう坂の町として有名ですが、作家林芙美子が多感な女学生
時代を過ごし、父との不和のため東京を離れた志賀直哉が一時
暮らした文学の町、さらに小津安二郎監督が『東京物語』を撮影し、
この町出身の大林宣彦監督が『転校生』や『時をかける少女』を
撮った映画の町としても知られています。高台にある千光寺公園からは
尾道水道と、甍の町と別称される尾道の市街地全体を見渡すことができます。
麓から千光寺公園まではロープウェーがわずか3分で結んでいます。

尾道市内の観光をすませたら、いよいよ風光明媚な芸予諸島を島伝いに
巡るしまなみ海道の旅のはじまりです。西瀬戸自動車道は延長59.4km。
尾道側から順に向島(むかいしま)、因島(いんのしま)、生口島(いくちじま)、
大三島(おおみしま)、伯方島(はかたじま)、大島の6島を大小10本の橋梁
で繋ぎ、四国側愛媛県の今治市に至ります。このルートの特徴は全行程に
自動車道路に並行して自転車/歩行者専用道路が併設されていることです。
ですから体力と時間さえあれば本州・四国間を徒歩、あるいは自転車で
渡ることが可能なのです。こればかりは他の2ルート、明石海峡
大鳴門コースや瀬戸大橋コースでは絶対に真似のできない芸当
です。ルート途中にある島々はそれぞれ個性的な景観と歴史的に
価値のある寺社仏閣が点在していて見どころが多くあります。
ただ筆者の個人的な感想を言えば、三つの橋梁が連続してある
来島海峡大橋は、今治側から渡った方がその雄大な
景観がドラマチックに展開するのでお薦めです。
四国側、松山まではジェットスターピーチ、LCC2社が就航
しています。

ピーチ航空で行く 素敵な旅